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うさぎは調子に乗る。


タイトルの通り。


うちのうさぎが、大きい枝をくわえて振り回していた。

僕が「すごいね!強いね!かっこいいね!」とはやし立てていたら

爪を立てたり、蹴ったり、更には周囲をピョンピョンと跳ね回り始めた。


明らかに機嫌がいい。

自らが称えられているということを理解している。


周りのおもちゃも振り回し始め、

ある程度暴れた後はこちらへ走り寄ってきて

頭を下げて「撫でて」のポーズをした。


なので、「きみはお調子者なのかもしれないね」と沢山なでた。


うさぎはまた跳ね回り始めたが、僕は郵便受けを

見に行かなければならなかったので、その場を離れた。


戻ってきたら、うさぎは ぽつん… と、

その場で座っていた。

心なしか、表情に陰りが見える。


声をかけても微動だにしない。

どうやら、あれだけ称えられたのに、いきなりひとりぼっちにされた

うさぎはショックを受けたようだった。


感情とは脳の働き。

喜びも悲しみも防衛反応も、全て脳内の様々な物質によるものである。

それなら、小さな動物にだってそれはあることに違いない。


これまでの人生で様々な動物と暮らしてきた。

どの個体も、種別に限らず性格というものがあった。

ただ、「性格を見せない」ように振る舞う個体もいる。

例えば、人間を信頼しきっていない、とか。

酷い環境下から保護した個体は心を開くまで年単位の時間を要した。


性格が見えてきたとき、わがままを言った時、

うっかり攻撃した後に申し訳なさそうな動きを見せてくれた時。

表情が赤ちゃんのように柔らかくなった時。

僕は安心する。


全ての行き場のない動物が、

安心して心を開ける環境で暮らせますように。


さて、そろそろうさぎのもとへ戻って

「待たせちゃったね、ごめんね」と撫でてやらなければならない。

あの子は僕が仕事部屋にいるとき、僕の寝室のドアの前で

まるで忠犬ハチ公の像のように座って待っているから。


良い夜を。

 
 

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